2011年3月25日金曜日

◆スプリング・フラワー

イギリスでは、ずっと、各地で、在英日本人を中心に日本への義援金の為のチャリティー・イベントが続けられています。
ここ数日は、チャリティー・イベント開催のお知らせだけではなく、活動終了後の募金額の報告と感謝の記事も目にします。
イギリスからの義援金が被災者の為に役に立ち、一日でも早く、復興できますように、お祈りします。
未解決の原発事故と続く余震で、日本の皆様は不安な日々をお過ごしのことと思います。
私も、これ以上の被害がないことを願いながら、ニュースを見る毎日です。

テレビで悲惨な映像を見ていた被災者の方々が、音楽を聴いてほっとしたそうです。
そんなわけで、少しでも元気づけられたらと思い、イギリスの春便りをお届けします。
数週間ぐらい前から、水仙が咲いています。
イギリスでは、水仙というと、大きめの黄色いラッパ水仙、ダフォディル(Daffodil)なんですよ。
この黄色いラッパ水仙は、スプリング・フラワーと呼ばれ、イギリスの代表的な春の花で、家の庭、公園、街の花壇、林、川辺など、あちこちで見かけます。
日本の春は桜の花の淡いピンク色のイメージですが、イギリスの春は黄色のイメージです。

ちなみに、日本でいう小さい白い水仙は、ナーシサス(Narcissus)と言います。

水仙といえば、イギリスの桂冠詩人(王家が称号を与え、王家の慶弔の詩を読むことになっている詩人)、「ウィリアム・ワーズワース」(William Wordsworth)も「水仙」という詩を書いています。 

"The Daffodils"  ("I Wandered Lonely as a Cloud") 

I wandered lonely as a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees
Fluttering and dancing in the breeze.

Continuous as the stars that shine
And twinkle on the milky way,
They stretched in never-ending line
Along the margin of a bay:
Ten thousand saw I at a glance
Tossing their heads in sprightly dance.

The waves beside them danced, but they
Out-did the sparkling waves in glee:
A poet could not be but gay In such a jocund company!
I gazed - and gazed - but little thought
What wealth the show to me had brought.

For oft, when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills
And dances with the daffodils. 

水 仙   (田部重治訳)

谷また丘のうえ高く漂う雲のごと、
われひとりさ迷い行けば、
折りしも見出でたる一群の
黄金色に輝く水仙の花、
湖のほとり、木立の下に、
微風に翻りつつ、はた、踊りつつ。

天の河に輝やきまたたく
星のごとくに打ちつづき、
彼らは入江の岸に沿うて、
はてしなき一列となりてのびぬ。
一目にはいる百千(ももち)の花は、
楽しげなる踊りに頭をふる。

ほとりなる波は踊れど、
嬉しさは花こそまされ。
かくも快よき仲間の間には、
詩人(うたびと)の心も自ら浮き立つ。
われ飽かず見入りぬ ‐ されど、
そはわれに富をもたらせしことには気付かざりし。 


心うつろに、或いは物思いに沈みて、
われ長椅子に横たわるとき、
独り居(ひとりい)の喜びなる胸の内に、
水仙の花、しばしば、ひらめく。
わが心は喜びに満ちあふれ、
水仙とともに踊る。



私は、渡英後、すぐ、このラッパ水仙の英語名、ダフォディル(Daffodil)が覚えられなくて、ダンドラフ(Dandruff)と言い、主人に笑われました。
Dandruffって、 (頭の)フケです!(笑)

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