2011年2月21日月曜日

◆著名人が住んでいた家

イギリスの街を歩いていると、建物の壁に、こんなプレートを見かけます。
この丸くて青いプレートは、「Blue Plaque」(ブルー・プラーク)と言い、著名人が、かつて住んでいた、働いていた建物、または、歴史的な出来事があった場所を伝える為に設置されている銘板です。
これは、皆様、よくご存知、「ビートルズ」のメンバー、「ジョン・レノン」が、この建物に一時期、住んでいたということですね。

このブルー・プラークは、「English Heritage」(イングリッシュ・ヘリテッジ)という英国政府により設立された歴史的建造物の保護を目的とした組織が管轄をし、人物の認定には、「死後20年もしくは生後100年の経過」、「人類の繁栄と幸福に重要かつ積極的に貢献」、「非凡かつ傑出した個性」、「それに値する国民の認識」という条件が必要となります。
ロンドンのみが対象でしたが、2000年からはイギリス全国が対象になり、現在は800以上を超え、毎年、20ぐらいが新設されているそうです。
1037年に青色に変更されるまでは、こげ茶色だったそうで、こげ茶色のも、また、白色、緑色、黄色など、他の団体によって設置されたものもあります。
モーツァルトが1764年に初の交響曲を作曲した建物
古い建物を改造するイギリスでも、建て替えなどにより、ブルー・プラークが設置された建物がなくなってしまうことがあります。
1875年、中華街のメインストリート、Gerrard Street(ジェラード・ストリート)にあるチャイニーズ・レストランの建物に設置された、こげ茶色のプラークが現存する最古のものだそうです。
現存する最古のプラーク
 
ところで、架空の人物ですが、「シャーロック・ホームズ」のブルー・プラークがベーカー街221Bに設置されているんですよ!
シャーロック・ホームズの家
日本人としては、ただ一人、夏目漱石のブルー・プラークが、ロンドン留学時代、最後に下宿していた家に設置されています。
夏目漱石が下宿していた家
皆様、街を歩いていてブルー・プラークを見つけたら、近づいて確認して下さいね。
思わぬ著名人の生家、住み家を発見できますよ!

2011年2月20日日曜日

◆天使が雪を真っ白な花に!

イギリスは、今週末は、また少し寒くなり、雨まじりの曇り空です。
こんな寒い時季でも、小川のほとりなどに自生している花があります。
その花の名は、「スノードロップ(Snowdrop)、和名は、マツユキソウ(待雪草)です。
私は、健気に咲いている、この花を見る度に、寒くても頑張ろうと、いつも励まされます。(笑)
冬の終わりから春先にかけて咲く、可憐な白い花です。
花の咲く時季から、「春を告げる花」と言われています。
スノードロップの名のごとく、雪のように真っ白な花です。 
花言葉は、「希望、慰め」です。

このスノードロップは、キリスト教の聖燭節(2月2日の聖母マリアの清めの祝日)に聖母マリアの祭壇に捧げます。
このため、修道院の庭でよく育てられ、修道院の跡地でも、自生してるのを見かけます。 
イギリスのヘリフォード・ビーコンHereford Beacon)近郊では、この聖燭節にスノードロップを籠やボウルに摘んで家に持ち帰り、家を清める風習あるそうです。
スコットランドでは、お正月前に、スノードロップの花を見つけると、新年は幸せになると言われています。
このような言い伝えから、自生地はイギリスとされていますが、修道僧がイタリアから持ち帰ったという説もあります。

伝説によると、アダムとイブが禁断の木の実を食べ、エデンの園を追われた時、冷たい雪が二人に吹きつけ、それを哀れんだ天使が雪に触れて、この白い花、スノードロップに変え、冬の後はやがて春が来るだろうと慰めたと言われています。
森の中に群生しているスノードロップは、まるで白いカーペットのようで、見事ですよ!
まだ暗くて寒いイギリスですが、この花は、真っ先に私達に春の足音を告げる使者です。
いつか、年末に、この使者に会えないかなと願っているのですが...

2011年2月19日土曜日

◆背広って英語?

背幅が広い上着だから、「背広」と言われ、日本語だと思い、疑問に思ったことがなかったのですが...

どうやら、この「背広」の語源は、諸説あるようです。
その一つに、ロンドンのメイフェアのストリート名から由来されているという説があります。
Conduit Street(コンジット・ストリート)とVigo Street(ヴィーゴ・ストリート)の間をRegent Street(リージェント・ストリート)と並行して走り、バーリントン・ガーデンにつながっている「Savile Row」(サヴィル・ロウ)という小さな通りがあります。
この通りは、オーダーメイドの高級紳士服屋が軒を連ねています。
ストリート名は、第3代バーリントン伯爵夫人、ドロシー・サヴィルの名前をとって名付けられたそうです。
このスーツの発祥地である仕立て屋街のストリート名、「サヴィル・ロウ」が日本語の背広の語源になったという説です。
「サヴィルロウ」→「サビルロウ」→「サビロウ」→「セビロウ」→「セビロ」→「背広」 と変化したのでしょうか?

また、この仕立て屋街、「サヴィル・ロウ」が発祥と言われている言葉があります。
それは、「Bespoke Tailor」(ビスポーク・テイラー)という造語で、「Tailor Made」(テイラー・メイド)という意味です。
和製英語のオーダー・メイドですね。
「Ready-Made」 (レディ・メイド)(既製品の)の反対語ですね。
「Bespoke」は「Be Spoke」からの造語で、客が希望を話し、それに応じて仕立てていくからです。 

おなじみ、007シリーズ、「ジェームズ・ボンド」の映画での台詞にあるように、ジェームズ・ボンドは「サヴィル・ロウ」のスーツを愛用しているという設定になっています。

ところで、背広の語源の他の説ですが...

・英語の軍服に対する、市民服、「Civil Clothes」(シビル・クロウズ)の「シビル」から。
「Sack Coat」の訳語で、ゆったりした(広め)の上衣から。
・スコットランドの羊毛・服地の産地 「Cheviot」(チェビオット)から。
・英語「Vest」の中国語訳「背心」に「背」が使用されることにならって。

いろんな説がありますね。
皆様は、どの説だと思いますか?
James Bond

2011年2月18日金曜日

◆釣鐘型の小さなお土産

イギリス各地のアンティークショップや観光地のお土産物屋さんで見かけて、なんだろうと思った物があります。
皆様、この陶器製の小さな釣鐘型の物は、何かご存知ですか?
裁縫に使用する道具、「Thimble(シンブル)(指貫)」です。
日本の指貫は和裁用の指輪型ですが、西洋の指貫は洋裁用の釣鐘型なんです。
日本にも最初、中国から釣鐘型の指貫が伝えられたが、和裁用に、より力の入れやすい指輪型に変化したそうです。 
陶器だけでなく、金属、革、布など、いろいろな素材の物があり、デザインも豊富です。
しろめ(錫と鉛の合金)製
コッテージのデザイン
木製
ロンドンの観光名所のデザイン
シルバー製のバッキンガム宮殿のデザイン
紀元前から、船の帆を縫う時に使用されてきた指貫は、19世紀のイギリスで貴族の女性たちが裁縫の際に使う為に発達していきました。
欧米では、結婚のお守りや幸福のお守り(フォーチュン・チャーム)と言われており、女性への贈り物です。
バッグの中に入れて持ち歩いたり、ペンダント・トップのデザインにもなっています。
金属製や陶器製の指貫は、コレクターズアイテムとしても人気があり、コレクター用に木の棚もあるんですよ!
お土産、コレクター向けに観賞用の指貫が数多く作られ、世界的に有名なマイセンやウェッジウッドなどのブランド物もあります。
ウェッジウッド製

アンティーク好きの女性へのお土産は、もちろん、新婦への結婚の贈り物にもいいですね!

2011年2月17日木曜日

◆妖精たちのケーキ

渡英後、街で見つけたイギリスのお菓子の一つに、フェアリー・ケーキ(Fairy Cake)(妖精のケーキ)というのがあります。
アイシング(粉砂糖と卵白が原料の糖衣)にドライフルーツやナッツや食用花を乗せたシンプルでマフィンの3分の1の大きさの小さいカップケーキです。
子どものおやつやバースデーパーティーに使われます。
小さな妖精たちが分け合って食べられるぐらいの大きさのケーキということから、フェアリー・ケーキと呼ばれたそうです。
妖精伝説のあるイギリスらしいネーミングですね!
フェアリー・ケーキ
ところが、数年前から、このイギリスらしいフェアリー・ケーキをあまり見かけなくなり、カラフルなバタークリームの華やかで大きなサイズのカップケーキが店頭に並び始めました。
迷ってしまうくらい種類が豊富なカップケーキ屋もでき、カフェでもカップケーキが食べられるようになりました。
どうしてなんだろうと、思っていたのですが...
アメリカの人気テレビドラマ「Sex And The City」(セックス・アンド・ザ・シティ)のキャリーがドラマの中でマンハッタンの有名店、「Magnolia Bakery」(マグノリア・ベーカリー)のカップケーキを食べたことが、今日のカップケーキ・ブームを起こしたそうです。

私が、カップケーキ・ブームを知ったのは、そのマンハッタンの「Magnolia Bakery」で6年間、修行を積んだ日本人のイギリスのKent(ケント州)、Sevenoaks(セブンオークス)のご自宅でのカップケーキレッスンの広告を目にしたからです。

カップケーキの名の由来は、材料を量るのにカップが使われたからとか、焼き型としてカップを使ったらからなどと言われています。
フェアリー・ケーキとカップケーキの違いはなく、アメリカではカップケーキ、イギリスではフェアリー・ケーキと呼ぶという意見もありますが、カップケーキという名もイギリスが発祥でアメリカに伝わったそうです。
カップケーキの材料を量るのにだけ、カップが使われるのではなく、ほとんどのお菓子の材料を量るのにカップが使われるので、私は、焼き型としてカップを使ったからカップケーキと呼ばれるようになったのだと思います。
イギリスには、紙の型は2種類、マフィンの大きさと、その3分の1の大きさのがあり、マフィンもカップケーキの一種だそうです。
フェアリー・ケーキは、小さいケーキを言うのだと思いたいですね。
だって、妖精たちのケーキですもの!
今、ブームになっているアメリカのおしゃれで華やかな大きなカップケーキとは違い、私が初めてイギリスで見たフェアリー・ケーキは、とても小さくて可愛い、いかにも子ども向けというデコレーションが印象的でした。

他にも、フェアリー・ケーキの一種でイギリス独特のお菓子があります。
それは、焼きあがったフェアリー・ケーキの真ん中をテーブルスプーンでくり抜いて、ジャムやカスタードクリームを窪みに入れ、くり抜いた生地を半分に切ってジャムやカスタードクリームの上に蝶の羽のように、天使の翼のように乗せたもので、バタフライ・ケーキ(Butterfly Cake)と言います。
この、バタフライ・ケーキは、お子さんも一緒に楽しみながら作れますよ!
おしゃれなフランスなどのお菓子と違って、イギリスのお菓子は、家庭で手作りするようなお菓子が多いです。
お菓子作りって、夢があって楽しいですね。

ブームのカップケーキは、思わず微笑んでしまうほど可愛いですが、甘すぎで、砂糖の塊って感じるのは私だけでしょうか?
でも、こんなカップケーキを私のウェディングにドレスについているピンクのバラに合わせて使いたかったなって思います。(笑)

2011年2月16日水曜日

◆古い教会が変身!

GP(General Practitioner-いわゆる ホーム・ドクター)や処方箋薬局への通り道に教会があります。
私はクリスチャンではないのですが、キリスト教の芸術品として教会の建物、ステンドグラス、彫像、絵画などを鑑賞するのが大好きです。
そんなわけで、その教会の前を通る時は、いつも教会の古い建物を眺めていました。
そんな、ある日、教会の窓に白いレースのカーテンがかかっているのに気づき、「あれっ?どうして、教会にカーテンが?」と思い、いつもは気にも留めない道に面した門の表札を目にしたら、「Speakers Court」(スピーカーズ・コート)と書いてありました。
教会だと思っていた建物は、何と、Flat(フラット)だったのです!(笑)
Court(コート)は、イギリスで、集合住宅、Flat(フラット=日本のマンション、アメリカのアパートメント)の名につけられることが多いのです。
 

調べてみたら、1829年に建てられたゴシック調の「Church Of St James」(セント・ジェームズ教会)で、1989年にChurches Housing Association(チャーチ・ハウジング・アソシエーション)という協会が買い取り、1991年に「Speakers Court」として、Cerebral Palsy(脳性小児麻痺)の援助をしているチャリティー団体「Scope」がマネージメントをしているCare Home(養護ホーム)でした。

イギリスでは、教会に通う人が激減していて、教会の1割は使われていないそうです。 
使われなくなった教会は、フラット、レストラン、バー、ブティックに変身しているんですよ!
また、近年、イスラム教徒が増えていることから、イスラム教のモスクになっている教会もあるそうです。
教会を改造したレストラン
イギリスに限らず、日常生活に教会が深く結びついているカソリック圏のフランスなどでも、同様だそうです。
イタリアやフランスなどへの旅行の際、教会を訪れるのも大好きな私にとって、教会が減ってしまうのは、とても残念に思います。

日本でも、お寺が変身するなんてことも、あるのでしょうか?(笑)
古い蔵を改造して、おしゃれなカフェを開店したニュースは聞いたことがあるのですが...

2011年2月15日火曜日

◆イギリス発祥、ベジタリアン

私が渡英後、外食して、驚いたことは、ベジタリアンのメニューが表示されていることでした。
宗教上の問題でベジタリアンが多いインド料理などは、もちろん、中華などのオリエンタル料理、西洋料理でもベジタリアンのメニューがあったり、なくても、VegetarianのVマークや葉っぱのマークがついています。
ベジタリアン専門のレストランもあるくらいです。
Wedding Reception(結婚披露宴)などでも、ベジタリアンのメニューがあり、届いた招待状の返信状にベジタリアンか、そうでないかを選択する欄があったこともありました。
その結婚式の花嫁さんは、ベジタリアンでした。

それもそのはず、2000年の調査で、イギリス人の9%の人がベジタリアンでした。
でも、約10年前の調査なので、今は増えて10%ぐらいだと思います。
10人に1人ぐらいは、ベジタリアンなのですね。
イギリスでベジタリアンが多いのは、インド人などのヒンズー教徒が多く住んでいるのも原因であると思います。 
ベジタリアンになる理由は、人それぞれだと思いますが、宗教上、動物愛護、美容と健康、環境保護、肉が嫌いのいずれかではないでしょうか?
イギリス人の義叔母達と義妹は、動物愛護という理由でベジタリアンです。
他の義妹も動物愛護の為、ベジタリアンになろうと試みましたが、お肉が食べたくなり1週間で断念しました。(笑)
私は、食べることが大好きなので野菜も大好きですが、お肉を全然、食べないというのは、耐えられないですね。

このVegetarianという言葉は、Vegetable(野菜)から由来すると思っていたのですが...
1847年、英国ベジタリアン協会の発足に発表された、ラテン語のVegetus(活気のある、生命力にあふれた、力強い)を語源に、Vegetableをかけた造語だそうです。
この、英国ベジタリアン協会は、薬や化粧品の研究の為の動物実験にも反対を唱えています。
イギリスでは、容器やケースに「Against Animal Testing」と書いてある化粧品が多いです。
外食のメニューだけではなく、イギリスでは、ベジタリアンの食材も豊富です。
豆腐や厚揚げなどもあり、お肉の代わりにサラダに入れたり、酢豚などの中華料理に入れます。
大豆やその他の豆やマッシュルームが原料のベジタリアン用のソーセージ、ハム、バーガー、ナゲット、チキンの細切り、挽肉などもスーパーで手軽に手に入ります。
ベジタリアン用 ローストディナー
ベジタリアン用 挽肉

クリスマスやイースターなどのローストディナーに主人の実家に招待されて、ベジタリアン用のソーセージやハムなどを目にしますが、本物そっくりでびっくりしました。
でも、食べたいとは思ったことがありません。(笑)
お肉や肉の加工品に似せた代用品を食べるより、その原料の大豆や豆やマッシュルームの本来の食材の味や香りや食感を生かした美味しい料理を楽しみたいですね。
イギリスは食べる物が不味いとよく言われますが、イギリス人は美味しく食べるということに関心、興味、情熱がないのではないでしょうか。
食べることを楽しむ人は、お肉も野菜もお魚も何でも食べますよね。
日本独自の俗説によると、世界三大料理は中華料理、トルコ料理、フランス料理で、どの国も食を楽しむ国で、食材も豊富、下手物も食します。
中国、トルコ、フランスには、ベジタリアンなんていないと思いますが。
確かに、イギリスは動物愛護国で、動物愛護が理由でベジタリアンになっているイギリス人が多いと思いますが、ベジタリアンでも皮革のコート、バッグ、手袋、靴などを持っている人が多いですね。(笑)