2011年1月26日水曜日

◆幼児にハーネス&リストリンク

日本にいる頃、子育て中の友人が「子どもが動き回り危ないので紐を付けたい。」と笑って冗談を言ってましたが、イギリスでは、安全の為に、リストリンク(Wrist Link)ハーネス(Harness)が普通に使われています。
Wrist Link (リストリンク)
Harness (ハーネス)
こちらで初めて目にした時には、友人の言葉を思い出し、びっくりしました。
特に、ハーネスは犬用のにそっくりですよね!
イギリスでは、かなり前から使われていたらしく、主人の子どもの頃の写真にも、このハーネス使用のがあります。

日本にも、最近は、リュック付き迷子紐、ハーネスリュックがあるみたいですね。
でも、日本では、まだまだ普及しておらず、使っている母親は虐待、子育ての手抜きみたいに思われ、変な目で見られたり、批判されるそうです。

私が思うに、見た感じはペットの散歩みたいですが、駆け出す子どもを交通事故などから守る為に手をつないでいるよりもハーネス、リストリンクを使った方が自由に広く動き回れると思うのですが。
それよりも、つないでいた手を振り切って道路に飛び出したりして交通事故に遭うほうが心配です。
時速20kmで運転していた車のドライバーでも予期せぬ子どもの急な飛び出しの接触事故を避けるのは難しいそうです。
ちょっと目を離した隙の迷子、誘拐なんかも避けられますよね。

イギリスには、子どもは常に保護者の監視下におくという法律があります。
子どもだけのお留守番も子どもだけの外出も犯罪になります。
帰省中、日本の電車の中で通学途中のランドセルが大きく見えるほどの小さな小学生の男の子が一人で電車に乗ってきた時に、一緒にいたイギリス人の夫は「え?」って驚いていました。
日本で育った私にとって、それは、気にも留めないことだったのですが。
イギリスでは、親の子どもの学校への送迎は、あたりまえです。
共働き、シングルマザーには、ベビーシッターはもちろん、チャイルドマインダーという子どもを学校に迎えに行き、親が迎えに来るまで自宅で預かるシステム、オーペアという自宅の一部屋を学生に提供し、代わりに子どもの送迎、面倒を看てもらうシステムがあります。
日本で毎年、夏に報道される、親がパチンコに夢中で車の中に置き去りにされた乳幼児が熱中症で死亡するニュースなんて考えられないです。
イギリス人の友人にその話をしたら、最初、置き去りにされたのは乳幼児だとは考えられなくて、ペットだと思ったぐらいです。
かなり前に長崎で起きた中学生の少年が3歳の男の子を殺害した事件の内容をインターネットで知り、本当に驚きました。
その親は3歳の男の子にショッピングセンターの中のゲームセンターで遊んでいるように言って買い物をしていたのです。
日本人は、日本は安全な国だと思っているのですね。

ところで、悲しいことに、自閉症などの障害を持った幼児の多動(無鉄砲に動き回ったり、一目散に駆け出す等)、パニックの時の事故防止としてハーネスを使用をしていても、周りから、そのような態度をされるそうです。
外見で障害者だと判断ができないというのもあるのでしょうが。
自閉症に関しての知識、理解などは、日本はイギリスに比べ本当に遅れていますね。
日本では、いまだに、自閉症は親の育て方が原因だと思っている人が多いそうです。
イギリス発行の無料の日本週刊情報誌に私の大好きなエッセイが載っていて、匿名の筆者は、アメリカ駐在後、イギリスに駐在、その後、イギリスに永住した日本人の男の人なのですが、ある日のエッセイでイギリスに永住した理由はお子さんが身障者だからと書いていました。
日本ではなくイギリスで身障者の子どもを育てたいという気持ちがよく分かります。
日本も、身障者だけでなく、身障者を持った親にとっても住みやすい国になるようイギリスから願っています。

0 件のコメント: